遺言執行者
遺言が効力を持つのは遺言者が亡くなってからですから、遺言者としては相続人が遺言の内容を実現してくれるのかとても不安です。そこで民法では、遺言の内容を実現させるために、遺言執行者という制度を用意しました。このページでは、遺言執行者とは何か、何ができるのかなどを解説していきます。

遺言執行者とは
遺言は遺言者の最後の意思表示です。遺言の内容は遺言者が自由に決めることができ(民法964条)、相続人は原則としてその遺言の内容に従わなければならず、遺言に反する行為はできません。
しかし現実には、遺言の内容を良しとしない一部の相続人が遺言の実現に協力しないこともあります。そのままでは遺言者の意思が無視されてしまいます。そこで民法では、遺言の内容を確実に実現するための権限を遺言執行者に与えました。
遺言執行者には、相続人の代理人として遺言を確実に執行するためにいくつかの権限があり(民法1012条他)、相続人は遺言執行者の行為を妨害することはできません(民法1013条)。

遺言執行者には何ができるの?
遺言執行者は相続人の代理人とみなされます(民法1015条)。遺言による制限は受けますが(民法1014条)、遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有しています(民法1012条)。

遺言執行者の指定・選任の仕方
遺言執行者を指定・選任するためには2つの方法があります。
- [ 遺言で指定する ]
- 遺言者は、遺言で遺言執行者の指定をすることができます。特定の財産のみの指定でも、遺言全体の指定でもかまいません。また、遺言執行者の指定を第三者に委託することもできます(民法1006条)。
- [ 家庭裁判所に選任してもらう ]
- 遺言執行者がいないときや、いなくなった(死亡等)とき、家庭裁判所は利害関係者の請求によって、遺言執行者を選任します(民法1010条)。また、遺言の内容に、廃除(民法893条)、廃除の取消し(民法894条)、認知(戸籍法64条)が含まれていれば必ず遺言執行者を選任しなければいけません。

遺言執行者は誰にでもなれるの?
未成年者と破産者以外でしたら誰でも遺言執行者になれます(民法1009条)。相続人でも結構です。ただし、遺言の執行には正確な法律知識が必要とされますので、相続の専門家である弁護士や行政書士などに依頼するのが安全です。

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