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遺言の解釈がわかりません

私には、独身の兄(長男)がいましたが、先月に亡くなりました。兄は遺言を残しており、それによると私に銀行預金の300万円を相続させる内容となっております。兄には財産が約2000万円あり(銀行預金と不動産です)、相続人は長女の私と、二男・三男の3人です(両親はともに他界しています)。最初は兄の財産を兄弟で3等分すると思っていましたが、遺言を読むと、いろいろな解釈ができてしまい、どれを選ぶべきか兄弟で悩んでいる状態です。

  1. 300万円を除いた1700万円を3等分する
  2. 2000万円を3等分し(1人約667万円)、私は遺言の300万円+約367万円
  3. 私は300万円だけで、残り1700万円を二男三男で2等分する

私の希望は1.ですが、2.でも仕方がないと思っています。しかし3.では納得がいきません。長男の身の回りの面倒をみてきたのは、長女の私だけで、二男三男とは年に一度程度しか顔を合わせていないのです。今のところ、幸いにも相続人同士で揉めている状態ではありません。参考になる法律などがあればそれに従おうと考えています。法律ではどうなっているのでしょうか?

回答

「銀行預金300万円を長女に相続させる」旨の遺言のことを遺産分割方法の指定といいます(民法908条)。

遺言がない相続の場合、法定相続分にしたがい相続分が与えられ、個々の相続財産の帰属先は遺産分割協議で決めることとなりますが、遺言で遺産分割方法の指定をすることで、指定された財産については遺産分割協議を必要とせず、指定された相続人が相続できます。

遺言により遺産分割方法の指定がされた場合、法定相続分の範囲内でしたら、法定相続分に達するまで相続でき、法定相続分を超えていたら、相続分の指定(民法902条)も同時にされたと解釈されます。相談者様の事例に当てはめると

  • 相続財産は2000万円
  • 同一順位の相続人が3人
  • 相続人一人当たりの法定相続分は約667万円
  • 相談者様の遺言による指定分は300万円
  • 法定相続分には約367万円不足

以上から、法定相続分に達しない約367万円までは相続できることになります。しかし、遺言で指定されていない残余の財産については、遺産分割協議で最終的な帰属先を決めます。遺産分割協議では、共同相続人全員の合意があれば、どのような分割方法でもかまいません。上記のように、不足分をキッチリ相続しなくても良いのです。

また、遺産分割協議は、「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」(民法906条)と規定され、また、今回の事案に関連する判例としては「当該遺産の承継を参酌して残余の遺産の分割がされることはいうまでもない」(平成3.4.19最高裁判決)がありますが、どちらも明確な基準は示されているとはいえません。

しかし、「一切の事情を考慮」や「当該遺産の承継を参酌」と条文・判例にありますので、「遺言で指定されているのは長女だけ」と「長男の身の回りの面倒をみてきたのは、長女の私だけ」をもとに法定相続分以上を主張することもできそうです。最終的には相談者様がどう主張するかが鍵になりそうです。これを論点として、もう一度、話し合われてみたらいかがでしょうか?

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