遺言と遺留分の優劣について
遺言で、『財産のすべてを相続人の一人に相続させる』と書いても、その遺言は有効なんですよね?
また、相続人には遺留分があって、財産の何割かは確実に相続できるんですよね?それなら、そのような内容の遺言を書く意味がないように思えますけど、どうなんでしょうか?優劣とかがあるのでしょうか?

回答
たしかに、『財産のすべてを相続人の一人に相続させる』遺言はつくれます。
また、相続人には遺留分がありますので、遺留分を侵害した相続人に対しては遺留分減殺請求をすることができます。
したがいまして、優劣でいえば、遺留分は遺言よりも上位にきます。
では、全財産を相続させるといった遺言は無意味なのかといえばそうでもありません。次のような場合に効果を発揮します。
例えば、遺言者をAとし、Aには配偶者Bと子C、そしてAの兄弟のDがいるとします。そしてAは、『財産のすべてを配偶者Bに相続させる』内容の遺言をつくったとします。
この遺言が効力を持ったとき(つまりAが亡くなったとき)、子C の遺留分を侵害していることになります。これを想定して、遺言にある一言をつけ加えることで、遺留分権利者からの請求を止めさせたり、請求額を減額させるといったような効果が期待できます。
また、遺言者Aが亡くなる前に、子Cが先に亡くなっていた場合、Aの兄弟Dに相続権が発生します。この場合に件の内容の遺言があれば、遺留分をもたないDは遺留分減殺請求をできず(民法1028条)、配偶者Bに相続財産のすべてが承継されます。
遺言者の状況によって、遺言の内容を考える必要があるのではないでしょうか。

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