遺言の種類とつくり方
遺言は大きく分けて「普通方式の遺言」と「特別方式の遺言」の2つに分類されます。特別方式の遺言は一定の特殊な状況の下でのみ認められていますので説明を省かせていただき、ここでは普通方式の遺言についてのみご説明します。

遺言の種類
普通方式の遺言には、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類があり、以下の点でそれぞれ違いがあります。
| ポイント | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 |
|---|---|---|---|
| 証人は立ち会うのか | 不要 | 2人以上必要 | 2人以上必要 |
| 費用はかかるのか | 不要 | 必要 | 必要 |
| 作成者はだれか | 遺言者本人 | 本人が口述したものを公証人が筆記 | 遺言者本人 |
| 代筆は可能か | 不可 | − | 可 |
| 要式を間違える可能性 | あり | なし | あり |
| 検認手続きの有無 | 必要 | 不要 | 必要 |
| 遺言の秘密性 | 保てる | 第三者に知られるおそれあり | 保てる |
| 遺言が発見されるリスク | 高い | 低い | 低い |
| 偽造・隠蔽のおそれ | 高い | 低い | 低い |
それぞれ長所短所を持ちあわせています。最適な方式の遺言を選択してください。
自筆証書遺言の特徴
自筆証書遺言はご自身だけで作成・保管でき、公証人の関与もなく費用もかかりませんので、もっとも手軽に作成できる遺言といえるでしょう。
その分、法律にしたがっているかどうかの判断は遺言者自身ですることになりますので、最悪の場合、遺言書自体が無効となる可能性も捨て切れません。
当サイトでは、有料にて自筆証書遺言が有効かどうかのチェックをしておりますのでご利用ください。

公正証書遺言の特徴
公正証書遺言は公証役場で証人2人の立会いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述し、公証人がそれを筆記して、これを遺言者と証人に読み聞かせ(又は閲覧)、遺言者と証人が筆記の正確なことを確認した後、署名・押印し、最後に公証人が、この証書は法律で定められた方式に従って作られたものである旨を付記して、これに署名・押印することで作成する遺言です(民法969条)。
このように、厳格な手続きを踏んで作成されるので、法律的に問題のある遺言を作成する心配はほぼ無いと考えていいといえます。作成した遺言書の原本は公証人によって保管されますので、紛失や偽造・改ざんなどの心配もありません。また、相続開始後の検認手続きが不要なのは公正証書遺言のみで、これもメリットの一つです。
以上の通り、優れた点の多い公正証書遺言ですが、デメリットもあります。まず、厳格ゆえに手間がかかること。証人2人を事前に用意したり、印鑑証明書や戸籍謄本などを揃えたり、相続財産に関する証明書なども用意したりと大変です。また、遺言作成手数料も財産の価額に応じてかかってきますし、証人に支払う謝礼も考えておかなくてはなりません。

秘密証書遺言の特徴
秘密証書遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言の中間といった位置付けになります。
遺言書の作成は遺言者がおこないそれを封筒に封入したのち、証人二人をともない公証役場で手続きし(公正証書遺言のように内容を口述する必要はありません)、それを遺言者自身が管理します(民法970条)。
秘密証書遺言のメリットといえば、その名の通り、遺言内容を秘密にしたまま作成できることでしょうか。あまり利用されてはいないようですが、他人による代筆も可能なことや、相続開始後に公証役場での遺言検索システムを利用できるなど、それなりに利用価値はあるといえます。




